「誰もやったことがないことにチャレンジしないと、表現者として失格だ」と、口癖のように語っていた。時流に乗ったギャグを追い、常に新たな試みに挑戦し続けた赤塚不二夫さん。常識にとらわれない自由な発想と奔放さが魅力の、ギャグの天才だった。 「漫画の神様」手塚治虫にあこがれた。「一流の漫画家になりたければ、一流の映画や本、音楽に接しなさい」という手塚の言葉を守り、さまざまなジャンルから貪欲(どんよく)に人を引き付けるセンスを磨いた。 そうして生まれたキャラクターは200を超える。「天才バカボン」に登場する、目のつながった警官は、安保闘争の権力の象徴、「もーれつア太郎」のニャロメは、人間にこびない猫を反体制派の学生運動家になぞらえた。そこには単なるギャグにはとどまらない、優れた時代感覚があった。 作品の多くはアニメ化された。人付き合いがよく、大の酒好きでも知られ、個性派の文化人として、タレントやイベントプロデュースなどの分野でも才能を発揮。晩年は病気との闘いだったが、「もっと面白いものがある、それを見つけたいし、作りたいし、描きたい」と語っていた。 漫画の枠を大きくはみ出した、ひたむきな表現者。バカボンのパパの「これでいいのだ」という名ぜりふそのままに、唯一無二の個性で時代を駆け抜けた。(了) (時事ドットコムより) ご冥福をお祈りしますのだ。(by HANZO)
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